鴨川に1人

京都ぶらり外出

今、ぶらりと自転車を走らせて、京都を探検してきた。思えば、ちゃんと京都の街並みを観たのはこれが初めてかもしれない。コロナ騒ぎによって、外に出るのがためらわれていたが、いざ外出してみると、思ってたのとは違った。

 

初めて見た今の京都

アパートのある松ヶ崎から、京都中心部に自転車を走らせた。5日ぶりの外出で、風が気持ちよかった。天気は曇り。おかげで気温は丁度よく、自転車をこぐ足にも力が入る。道には、チラホラと人の影が、と思えば、進むにつれて数は増していった。やはり道はしっかり舗装されていて、米子よりも格段こぎやすい。しかし、歩道に思ってたより人が多いため、車道を進むことに。どうやらだいぶコロナの影は去っているように思える。昼時ということもあって、店からは美味しそうないい匂いが流れてくる。料理を楽しむ客の姿も見えた。せわしなく歩くスーツ姿の男や、友人とスイーツを手にはしゃぐ女。まだ非常事態宣言が解除されて日は浅いとはいえ、人々の心は日常に回帰しているようだ。久しぶりに暖かい気持ちになった。僕は道を進んだ。

 

好きな場所ができた

旅も折り返しになった頃、ある橋を渡った。名前は知らない。しかしその下を流れる川の名前は知っていた。鴨川だった。f:id:Rad7wimps0:20200524141946j:image

京都に詳しくない僕でも名前くらいは知っている。非常に有名な川だ。

少し川沿いを走ってみた。緑が連なり、ひんやりとした空気が頬を撫でた。ここは好きな場所だ、と直感で思った。自転車をおりて、河川敷の石に腰を下ろした。川の周りには結構人がいた。

f:id:Rad7wimps0:20200524142408j:image

水に入って遊ぶ子供、一緒になって濡れる父親、やれやれと見守る母親。微笑ましい家族団欒がそこにはあった。

話し声、鳥の鳴き声、どこからか聴こえるハーモニカ。

と、僕の周りにハトがやってきた。見ていると、遅れてスズメがやってきた。こっちを見ている。ちょっと寄ったり、離れたり、また寄ったり。こっちを見て首を傾げる。あいにく餌は持ってないよ、君らの役には立てないよ。

と、BUMPの一小説を思い出していると、どこかへ行ってしまった。

犬を散歩する人、ランニングをする人、1人で黄昏れる人。なんでもない光景が、なんだかとても懐かしい。僕らは、悪い夢でも見ていたようだった。人々は、眠りから冷めて、京都は日常を取り戻しつつあった。

f:id:Rad7wimps0:20200524143407j:image

日差しが出てきた。急に辺りが暑くなった。

鳥は飛んで、そして鳴いた。

 

僕はペダルに足をかけた。

 

 

 

京都に好きな場所ができた。